今回の旅行では、トピックスも多岐にわたり、全ての写真を紹介しながらNY滞在の面白さをお伝えしたい、あるいは自分の記録として残しておきたいという思いにかられます。
しかし、全ての写真というわけにもいきませんから、やっぱり自分として「お、やった〜〜!」と嬉しいハプニングを選りすぐって紹介するに留めておきます。
なお、基本的に私の旅行/滞在なるものは、非常に独断と偏見に満ちていて、いわゆるガイドブックにあるような有名な美味しいレストランやフードを探したり、5番街のブランドのお店を覗いたりとか、そういった高級志向は微塵もなく、ひたすら、美術・本・音楽・散歩・地下鉄・テレビを満喫するだけの毎回7泊の滞在であります。
年齢的にかんがみて、こういう放� �者・ノマド的なさすらい旅行、いつも変わらぬこの形式にはいささか忸怩たるものを感じる今日この頃ではありますが、その点は国内、国外を問わず非常に個人主義的なsarahさんなのでありますよ。
さて、今回も運よくアカデミー賞授賞式の様子をTVで一部始終バッチリ見ることができました。
今回は82回目とか言ってたかな? 今年は3月になってからのAcademy Awardsだったんですね。アカデミー賞って特に私の必須チェック項目ではないから、事前に確認することもしていませんでしたが、確か前回、同様にたまたまホテルの部屋でゆっくり見ることができたのは、たしか、2008年2月24日あたりの日曜日だったと思います。それは第80回ということになりますね。つまり、自分としてはアカデミー賞は2月だと思い込んでいたんですよ。
最愛の人は、アンディ·グリフィス·ショーでどこから来たの
すみません、自分用にちょっとここに80th Academy Awardsの詳細を貼り付けさせていただきます。
受賞作品はもちろん、ノミネート作品も記憶に残るすばらしいものばかりですから。
さすがWiki、もうきちんと掲載されていますね。⇒82nd Academy Awards
今回もまた面子も揃っていましたね。でも最近、フィットネスに夢中になって水曜日のレディーズデイも映画見に行かなくなっていましたから、ノミネート作品も予告編や映画レビューで知っているだけ。
サンドラ・ブロック出演の作品も知りませんでした。彼女は以前、人気投票でトップとのことで一番アメリカ人好みの容姿であると聞いたことがありますが、私が彼女を見た最後は「クラッシュ」という群像劇作品でした。もうかなり前ですね。
これはまだ受賞の前、ノミネートされている方々が順番にインタビューに応じているところの映像です。
さて、前置きがまた長すぎたかもしれないけれど、私が一番感動したのは、主演女優賞にノミネートされていたアフリカン・アメリカンの新人ガボレイ・シディベ Gabourey Sidibe(『プレシャス』の主演新人女優)に向けてのオプラ・ウィンフリーさんのスピーチでした。
このカテゴリーにはかの実力派大女優メリル・ストリープ、さらにアメリカで最も好かれる容姿というサンドラ・ブロック、さらに高貴な雰囲気漂うブリティッシュのヘレン・ミレンなどが席に並び、この超太っちょ・アメリカのビッグママ予備軍みたいなブラック・レイディは、正直言って、ちょっと異質な印象を最初は受けました。
millionairsは買うもの
と言うのは、私はこの「プレシャス」という作品については実はその日まで知らなかったからなんです。
たいてい、アフリカン・アメリカンのコミュニティ等に関する作品はチェックしてるんですけどねぇ。
で、オプラさんのスピーチ、覚えている限り書いてみると…
「ガボレイ・シディベ、この子はシンデレラ物語を地で行ったわ。ある日一日だけ学校を休んだ。オーディションを受けるため。それから彼女の状況はどんどん変わっていって、こうして今日、かのメリル・ストリープと同じ場所の座席に座っているんだもの。ガボレイ、貴女がそこに座っているってことはそれだけでも受賞したも同然ぐらいに素晴らしいことだわ。アフリカン・アメリ� �ンの女性として、道を切り開いてくれた貴女を私は心から誇りに思うわ。」
とまあ、こういう内容であったように記憶しています。私の主観も入って、細かいところは違っているかもしれないけれど、このガボレイさん、すごく泣いていて、私もとっても泣いてしまった。
オプラさんは本当にすごいオーラを放つ人。私は彼女の人柄にすごく引かれます。っていってもアメリカに行ったときに運よく見れる「オプラ・ウィンフリー・ショウ」でのトークから受ける印象とか、あと、彼女に関するいろんな情報からですけどね。
The Oprah blog
記事、長くなって申し訳ないけど、あとすこし『プレシャス』の紹介だけしておきたい。
すべてのi wannaは一晩中、この母親をロックですか
帰りの飛行機で、この作品があったので見てみました。
ハーレムの極貧のアフリカン・アメリカンのシングルマザー家庭に育つ少女「プレシャス」の物語なんですけど、プレシャス役のガボレイ・シディべはもちろんのこと、母親役のモニクもすっごい迫力でした。彼女はこの演技で助演女優賞に輝いたんですけどね。私はずっとモニクはコメディアンとしか思っていなかったからかなり衝撃的でしたけど、迫真の演技で鬼気迫るものは確かにありました。
あれだけの狂気、みたいなもの、あれってドラッグのせい?それともアルコール?と見ながらずっと考えていたけど、そういうものはこの映画には出てこなかったです。ひたすらドメスティック・ヴァイオ� �ンス。
母親から虐待を受けながらプレシャスは夢も希望もどんどん失くして自分は誰からも愛されないと言って自分自身を追い込んでいくんだけれど、彼女が転校してきたフリースクールの女性教師は最後まで彼女を励まして支え、そこで涙。プレシャスの状況を把握して彼女の家庭の問題を何とか解決の方向に導こうとするケースワーカー(なんと、マライア・キャリーがノーメークで出演。それでも素敵だったですよ〜。)が母親に詰め寄って、母親のする反論。めちゃくちゃだけど無条件に哀れに思ってしまってそこでもまた涙。
プレシャスは母親のボーイフレンドにレイプされて子どもを産むんだけど、そのときの助産の看護師がレニー・クラビッツ。ハードロッカーの彼の顔しか知らなかったから、最後まで レニーだとはわかりませんでした。
それともうひとつ、是非書き留めておきたいことは、レイプで生まれてきた我が子を守って強く生きていこうとするプレシャスの、その赤ちゃんに対する母親としての仕草。
私は知らなかったんだけど、アフリカン・アメリカンの人たちって赤ちゃんを愛おしく思うとその顔に向けてフゥッと優しく細く長く息を吹きかけるんですよ。
その仕草は実際、地下鉄に乗っているときにこの眼で見ました。まだ学生風なすごくスレンダーな美しい黒人の女の子が、赤ちゃんに白いキャップをかぶせてスナグリみたいな抱っこ紐に入れてしっかり防寒もして地下鉄に乗ってきたんです。赤ちゃんはまだ小さくて、まだ2,3ヶ月ぐらいだったかな。視線がまだボンヤリしていたもの。でもとっても可愛くて、その女の子はときどきその赤ちゃんにフゥッと息をかけていました。すごくいいシーンでした。詩的で、トニ・モリソンの作品に出てきそうで、私はそこでいろんなこと想像してしまいました…。南部の黒人の歴史とか、奴隷制度とか、そうして連綿と続く今日まで黒人の歴史、公民権運動のかずかずの足跡、そして現在の彼らの� �社会での境遇、等々。
で、そのあと帰りの飛行機でこの映画見て、プレシャスが赤ちゃんに優しく息を吹きかけるのを見て、ものすごい母性というものを感じてしまいました。
とはいいながらも…
飛行機のスクリーン、デルタの国際線はユナイテッド同様、座席の後ろに個別についているタイプ。したがって非常に小さい。そのうえ、なぜか画面には中国語の字幕がびっしり現れて、英語聞きながらついつい漢字読んでしまうんですよね。中国語わからないけど、漢字がちらつくのってすごく邪魔になる。
というわけでもう一度、劇場に見に行くつもりです。日本ではもうすぐ公開されるらしい。4月24日(土)全国公開とのことです。
トップページをあちこちクリックして予告編なども是非ご� �ください。
私は、もうだめだわ。予告編でもう、涙、涙です。
Gabourey Sidibe
Mo'Nique
Mariah Carey
全編に流れる音楽もよかったです。歌の部分はメアリー・J・ブライジがまたあの素晴らしいファンキーな声を聞かせてくれています。
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